Hiroba Blog

2025〜2026年に消えたバーチャルオフィスと、いま選べる選択肢

「使っていたバーチャルオフィスが、ある日突然サービス終了になった」「終了の告知すらなく、いつの間にかつながらなくなっていた」。この記事は、そんな状況に心当たりのある方いませんか?この記事では、弊社で確認できた範囲の事実を整理し、「SaaS型のバーチャルオフィスは消えることがある」という論点を1本にまとめます。まだ乗り換え先を決めきれていない方、急いで決めた移行先にどこか不安が残っている方の判断材料になれば幸いです。

NeWorkのサービス終了、まず何が起きたのか

2026年3月31日にNTTグループのバーチャルオフィス「NeWork(ニュワーク)」がサービスを終了するという告知がありました。同じ時期に静かにアクセスできなくなっていたバーチャルオフィスサービスがほかにも複数見つかり、乗り換え先に苦労している方も多いようです。

終了までの経緯

NeWorkは次のような経緯をたどっています。

  • 2020年、テレワーク需要を背景にサービス開始
  • 2025年3月ごろ、サービス終了の方針を発表
  • 2025年4月30日、無料プランを含む全プランで新規契約・新規ワークスペース作成を終了
  • 2026年3月31日、サービス提供を終了予定

なお、NTT公式サポートページはJavaScriptで表示するタイプのページのため、弊社の調査ツールでは本文を直接取得できませんでした。上記の日付は、検索結果に表示された公式ページのタイトルや、複数の独立した二次情報源(利用者のブログ、比較サイトなど)で一致していることから確認したものであり、公式ページの全文を直接引用できたわけではない点はお断りしておきます。

後継サービスの案内はない

公式には、乗り換え先となる後継サービスの案内は行われていません。ある利用者のブログ記事では、運営元のNotion上のFAQに対する記載として「弊社内には類似サービスのご用意がないため、後継サービスのご案内はできかねます」という趣旨の一文が引用されていますが、これも二次情報源経由の確認であり、原文そのものを弊社で直接確認できたわけではありません。

実際、完全テレワーク体制でNeWorkを日常的に使っていた企業のブログでは、終了の告知を受けて「移行先を検討し、NTTコミュニケーションズに問い合わせてみようと思う」というところで記事が止まっており、具体的な移行先には言及されていませんでした。乗り換え先を専門的に比較したしっかりした記事も、弊社が調べた範囲では見当たりませんでした。ここは、これから乗り換え先を検討する方にとって、参考にできる情報がまだ少ない領域だと言えそうです。

NeWorkだけではない。同じ時期に静かに姿を消したサービスたち

NeWorkは終了告知があった分、まだ良心的なケースかもしれません。調べていく中で、告知の有無すら判然としないまま、アクセスできなくなっていたサービスがほかにも見つかりました。

roundz(ラウンズ): 告知が見当たらないまま、サイトが応答しなくなっている

「声のバーチャルオフィス」をうたうroundzは、2018年創業のラウンズ株式会社が運営していたサービスです。弊社が2026年8月6日時点で公式サイト(roundz.jp)にアクセスしたところ、ドメインの名前解決自体は正常に行われるものの、サーバーへの接続がタイムアウトし、実質的にアクセスできない状態でした。

一方で、インターネットアーカイブの記録では2026年6月6日時点までサイトが通常どおり稼働しており、この時点のアーカイブにサービス終了を示す告知は見当たりません。つまり、少なくとも同年6月から8月までの2か月ほどの間のどこかでサーバーが応答しなくなったと見られますが、正確にいつ止まったのかまでは弊社でも特定できませんでした。

ドメインの登録自体は2027年3月まで有効な状態で維持されており、運営法人の登記も2025年11月時点までは本店移転などの活動が確認できています。倒産や解散を示すニュースも見つかっていません。したがって「サービスが正式に終了した」と断定できる材料はなく、長期的な障害や運営休止の可能性も排除できないというのが、弊社調査時点で言える最も正確なところです。ただし、公式な終了告知が見当たらないままアクセス不能になっている、という状態そのものは事実として確認できています。

クラウドオフィスRISA: サイトごとインターネットから姿を消す

大阪の株式会社OPSIONが運営していた「クラウドオフィスRISA」も、2026年8月時点で公式サイト(risa.ne.jp)のドメイン名が解決できない状態でした。ドメインの登録自体は2027年6月まで有効なままですが、委任先のネームサーバーにこのドメインのゾーン情報自体が存在しない応答が返ってきており、ホスティングやDNSの設定側が削除されたと見られます。

インターネットアーカイブでは2025年9月17日時点までは通常どおりサービス紹介ページが表示されており、それ以降のクロール記録が見当たりません。運営会社のコーポレートサイト自体は現在も生きていますが、掲載内容は2020年ごろから更新が止まっているように見え、2022年にはWeb3・NFT領域の新規事業を発表するなど、事業の重心が移っていた可能性もうかがえます。ただし、これらはいずれも状況証拠であり、サービス終了の公式な告知や、運営会社の現在の経営状況を裏付ける情報は、弊社が調べた範囲では見つかりませんでした。

Sococo日本代理店: 「本体は生きているが、日本語の窓口が消える」パターン

米国生まれのバーチャルオフィス「Sococo」は、少し違うパターンです。日本国内の正規代理店だった株式会社テレワークマネジメントは、公式サイトのSococoサービスページに「2025年3月31日をもちまして、Sococoの日本国内の代理店販売を終了させていただきます」という告知を掲載していました。これは公式サイトで直接確認できた一次情報で、インターネットアーカイブの記録では遅くとも2025年1月中旬にはこの告知が掲載されていたことが確認できています(告知そのものに掲載日の日付表記は見当たらなかったため、掲載開始日を特定するには至っていません)。

同社は現在、富士ソフト株式会社が開発・販売するバーチャルオフィス「FAMoffice」を推奨ツールとして紹介しています(テレワークマネジメントの自社開発ではありません)。ただし、Sococoからの移行先として同社が具体的にFAMofficeへの乗り換えを案内しているかどうかまでは、弊社の調査範囲では確認できませんでした。

もう一つの代理店とみられる株式会社イグアスについても、専用サイトが消滅し、現行の取り扱いソリューション一覧からSococoが見当たらなくなっており、同様に取り扱いを終了した可能性が高いと見られます。ただし、同社からの公式な終了告知そのものは、弊社が調べた範囲では見つかりませんでした。

なお、Sococo本体(米国Social Communications Company提供のグローバルサービス)は2026年8月時点でも稼働が確認でき、サービスそのものが世界的に終了したわけではありません。今回確認できたのは、あくまで日本国内の代理店販売という「窓口」の終了です。海外本社のSaaSを日本語代理店経由で使っている場合、代理店側の事情でサポートや請求の窓口だけが失われる、というリスクもある、という一例として記録しておきます。

ここまでを表にまとめると

サービス 運営 弊社調査時点の状況 公式な終了告知
NeWork NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ) 2026年3月31日終了予定。新規受付は2025年4月30日で終了済み あり
roundz ラウンズ株式会社 サイトが応答せず(2026年6月6日までは正常稼働を確認) 見当たらず
クラウドオフィスRISA 株式会社OPSION ドメインが解決不能(2025年9月17日までは正常稼働を確認) 見当たらず
Sococo(日本代理店) 株式会社テレワークマネジメント 他 テレワークマネジメントは2025年3月31日で代理店販売終了。本体サービスはグローバルに継続 テレワークマネジメントはあり/イグアスは未確認

なぜSaaS型バーチャルオフィスは「消える」のか

4つのケースを並べてみると、共通しているのは「ビデオ・音声を常時つなぎ続けるためのサーバーを、運営会社がずっと維持し続けられるかどうか」という構造的な問題です。バーチャルオフィスは、ビデオ会議のように「使うときだけ」ではなく「一日中つけっぱなし」で使うツールです。それを支えるサーバーのコストは、利用が少ない時間帯にも常にかかり続けます。

一方で、この市場自体はZoomやGoogle Meet、Slackといった大手ツールと機能が重なりやすく、必ずしも大きな市場ではありません。採算が合わなくなったとき、運営会社に残された選択肢は限られており、事業の縮小や撤退という判断が下されることがあります。これはNeWorkのようにNTTグループが提供するサービスであっても例外ではなかった、というのが今回の調査で見えてきたことです。

そしてSaaS型のサービスが終了する場合、多くはベンダーのサーバーが止まった瞬間に、ユーザー側は何も手を打てなくなります。自社のデータをどこかに退避する、自分たちでサーバーを立てて動かし続ける、といった選択肢自体が、そもそも用意されていないためです。

乗り換え先を決める前に、確認しておきたいこと

こうした前例を踏まえると、次に選ぶバーチャルオフィスについては、機能や見た目だけでなく、次のような点も確認しておくことをおすすめします。

  • 運営会社が撤退した場合、データをどう扱えるか。 エクスポート手段や解約時の案内が事前に用意されているか。
  • 自社のサーバーで動かす選択肢があるか。 ベンダーのサーバーだけに依存する構成か、セルフホストという逃げ道が用意されているか。
  • ソースコードが公開されているか。 オープンソースであれば、運営会社の判断だけでソフトウェア自体が使えなくなることは起きにくくなります。
  • 無料トライアルにカード登録が必要か。 比較検討のハードルが低いほど、実際に触って合う・合わないを判断しやすくなります。

私たちが作ったHirobaというアプリケーションについて

実は、Hirobaを作った動機のひとつも、まさに「SaaSは消えることがある」という問題意識でした。私たちLudo Technologiesは、バーチャルオフィスというジャンルのツールが、運営会社の一存で突然使えなくなるリスクを抱えていることを踏まえて、次のような形でHirobaを設計しています。

  • オープンソース(Apache-2.0ライセンス)で公開しています。 弊社が事業をやめる判断をした場合でも、コード自体は残ります。
  • セルフホストも、弊社がホストする版も選べます。 自社のサーバーで動かしたいチームは、そちらを選ぶこともできます。
  • 非常に軽量なアプリケーションです。 運用の負担が小さく、自前で立てて動かし続けやすい構成にしています。Rustという軽量アプリの構築に適したソフトウェアで構築されており、スペックの低いPCでも動きます。
  • 音声はP2P(ピアツーピア)通信を基本方式としています。 多くの環境では、会話そのものが弊社のサーバーを経由しません(ただし、対称NATや企業ファイアウォールなど直接接続が難しいネットワーク環境では、TURNサーバー(中継用のサーバー)を介して音声を中継する場合があります)。

もちろんオープンソースだから未来永劫消えない、と保証できるわけではありません。私たちも一営利企業であり、事業の継続には限りがあります。ただ、少なくとも「ある日突然、会社の判断だけでソフトウェアごと使えなくなる」という事態は起きにくいように、セルフホストという逃げ道とオープンソースという形を最初から用意しています。これは派手な機能ではありませんが、長く使うツールを選ぶときには、地味に効いてくる部分だと考えています。

料金は登録メンバー数に応じた1人あたりの月額課金制で、30日間の無料トライアルがあり、クレジットカードの登録は不要です。最新の料金は料金ページをご覧ください。

まずは1チームから、静かなオフィスを。

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